『老いの才覚』 曽野 綾子
※読書メモです
「くれない指数」〜老化の始まり。助けてもらうことを期待するな。
読書量の減少。表現の豊かさ、基礎知識だけでなく教養も足りない。
性悪説から感動する。〜人も国も期待しなければ、良いことがあれば感動できる。
老人が健康に生きるには。〜目的・目標を持つ。「何ができるか」を考える。
この世ではどんなことも起こり得るのですから、〜中略〜 世の中のことは全て、少し諦め、思い詰めず、ちょっと見る角度を変えるだけで、光と風がどっと入ってくるように思える。
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今ヒット中の新書ということで読んでみた。
"近頃の若いもんは…"と昔から言われているが、最近は"近頃の年寄りは…"と思ってしまうようなご年配者も、確かに街中で見かけることはある。
第二次大戦前に生まれ、戦後の厳しい時代から高度成長期を経て、平成の時代になった今、彼らがこの先生きる道が、不透明すぎるのではないだろうか。
国からは「後期高齢者」と位置づけられ、つつましく年金で暮らしている現実から生まれてくるものはなんだろうか。
それこそ、その人の"生きざま"が反映されるのが、老いたときに集約されるような気がする。
自分が老いたときに、どのような生き方をしているか、強烈にイメージしながら日々を過ごせば、自分や自分の周りの人などと接する態度も、おのずと変わってくるだろう。
宗教的な思想は関係なく、若い人が、これからの生きざまを考える上でも読んでおいた方が良いだろう。
巻末にある
「神われらと共に (砂浜の足跡)」 (アデマール・デ・パロス)
にある"主"との会話も、心に訴えかけてくるものがあるだろう。